2008年01月01日

年賀状

カフェは、意外と混んでいた。

大晦日の夕方、町に出た。人影まばらな広島の町も、中心街ともなればにぎわっている。買い物をしているのかな。年末で閉まっている店もたくさんあるけれど、人の流れは絶えない。ちらほらとあるカフェにも、人が入ってゆく。

席について一息つくと、なんだか、一年のなかでほんのちょっとだけ特別なこの日に、偶然同じ空間を分け合っている人たちに興味がわいてきて、周りを見渡した。

右の席には、大学生ぐらいの子が二人座っている。他愛もない映画なんかの話をしているけど、「横浜では・・・」「今日は会えてよかった」とか言っているから、たぶん昔の友達で、帰郷したついでに待ち合わせしたんだと思う。

左の席の人はわき目もふらず一心に年賀状を書いている。何もわざわざカフェで書くことはないんじゃないの、とツッコミたくなるけど、なんか事情があるんでしょう。秘密の年賀状とか?家族に覗かれたくない微妙なメッセージとか?

もっと奥まで見てみる。席は、友達、夫婦、カップルなどなど、年末を共に過ごそうと決めたもの同士で埋まっている。

でも、よく見れば、カフェを満たしているのはそんな人たちだけじゃない。楽しいおしゃべりの空間から切り離されて、ポツリと座る人がいる。そう、独りの人たち。

彼女らは、べつに特別なことはしていない。何か書いたり、本を読んだりしているわけではない。ひっそりとコーヒーを飲み、たまにケータイをいじり、ボーっとしている。

待ち合わせに早く着いて、時間をつぶしているのかな。この後、どこかへ行く予定があるのかな。買い物の合間に一息ついているのかな。一人でのんびり過ごす時を純粋に楽しんでいるのかな。いろいろと想像してみる。

でも、ひょっとして、本当はもっとなにか別の思いがあるんだとしたら?たとえば、本当は独りでいたいわけじゃなくて、できることなら、お気に入りの誰かと出かけかった、とか。家に帰っても独りで、せめて人で満たされた空間にいたいと思っていた、とか。街へ出たら何かが起こるんじゃないかというささやかな期待を持っていて、なにも起こらずに終わってゆく年に、最後まで抵抗しているのだとしたら?

いや、勝手に想像しすぎかも。べつにそんなことはないのかもね。

もう、帰ろう。


それにしても、僕はなんで出かけたんだろう?

++++


あけましておめでとう。
今年は、面白い年になるような予感がしています。
みなさんにも良い年が訪れますように。
タグ:年賀状 広島
posted by aye(あい) at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 季節の挨拶 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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